ヒト幹細胞培養液とは? 幹細胞との違いから解説

ヒト幹細胞培養液は、美容分野で注目される機会が多いキーワードのひとつです。
一方で、「細胞そのものが入っているのでは?」「幹細胞とは何が違うの?」など、実際にどのようなものか分かりにくいと感じる場合も少なくないようです。

この記事ではヒト幹細胞培養液の基本と含まれる成分、幹細胞やエクソソームとの違いについて解説します。

知っておきたいヒト幹細胞の基本

ヒト幹細胞培養液を理解するうえで押さえておきたいのが「幹細胞」とは何かという点です。
幹細胞とは、体内において“司令塔”のような役割を持つ細胞と考えられています。

普段は何もしない細胞ですが、身体に何らかの変化が生じた際に、自らが分化してトラブルを解決する細胞に変わることができたり、トラブルを解決するための指令を他の細胞に出すこともできます。

このときに分泌されるのが、細胞同士の情報伝達に関わるさまざまな成分であり、一般的に成長因子(グロースファクター)などと呼ばれています。

ヒト幹細胞培養液とは?

「ヒト幹細胞培養液」とは、ヒト由来の幹細胞を培養する過程で得られる「培養上清液」を指します。

これは幹細胞を培養した後に得られる上澄みのことで、培養中に幹細胞から分泌された成長因子などが含まれています。

ここで重要なのは、ヒト幹細胞培養液には幹細胞そのものは含まれていないという点を正しく理解しておくことです。

この原料は用途により呼び方が異なり、化粧品原料分野では「培養液」、美容医療分野では「上清液」と表現されることがあります。

含まれる主な成分

ヒト幹細胞培養液には、成長因子(グロースファクター)や、エクソソーム、サイトカイン、ペプチドなど、細胞間の情報伝達に関わるさまざまなタンパク質成分が含まれています。

どのような成分がどの程度含まれるかは培養方法やその他の条件によって異なります。

細胞間の情報伝達を担う

ヒト幹細胞培養液に含まれる「成長因子(グロースファクター)」は、細胞から分泌されるタンパク質の一種で、細胞同士の情報伝達に関わる成分として知られています。

この働きはよく「鍵と鍵穴」に例えられます。

細胞の表面には“鍵穴”のような受け皿(レセプター)があり、そこに対応する“鍵”(リガンド)である成長因子が結びつくことで、情報が伝わる仕組みと考えられています。

レセプター(鍵穴)とリガンド(鍵)にはさまざまな種類があり、それぞれが対応することで、細胞間の情報伝達が行われると考えられています。

「ヒト幹細胞培養液」と「エクソソーム」

ヒト幹細胞培養液に含まれる成分の中でも、近年とくに注目されているのが「エクソソーム」です。エクソソームは細胞から分泌される微小な細胞外小胞の一種で、内部にタンパク質や脂質、核酸などを含むと言われます。

ヒト幹細胞培養液とエクソソームの違いとその関係は、次のように整理することができるでしょう。

つまり、エクソソームはヒト幹細胞培養液を構成する成分の一部として存在しています。

エクソソームについては別記事で詳しく解説しています。
より詳しく知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。

→エクソソームの記事へ

まとめ

ヒト幹細胞培養液は、美容分野で広く知られるようになった一方で、「幹細胞そのものが含まれているもの」とイメージされることもあるようです。

しかし実際には、ヒト幹細胞培養液に幹細胞そのものは含まれていません。
幹細胞を培養した後に得られる上澄み(培養上清)であり、その中には成長因子やサイトカイン、ペプチド、エクソソームなど、幹細胞が分泌したさまざまな成分が含まれています。

名称が似ている言葉が多いからこそ、幹細胞・ヒト幹細胞培養液・エクソソームの違いを整理して理解することが、ヒト幹細胞培養液を正しく捉える第一歩といえるでしょう。

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