界面活性剤

化粧品に広く配合される界面活性剤
この界面活性剤はいくつかの作用があり、それぞれの目的に合わせて化粧品に配合されています。
そもそも界面とはなにか?からお話ししていきましょう。

【界面:かいめん】とは?
混ざり合わずに接している2つの物質の境目(さかいめ)のことです。
例えば水と油の様に1つの入れ物にいれて振っても水と油はそれぞれに分かれて境界線ができますよね。
この時、水と油の間には“界面”が存在している状態です。
また液体の空気に面している部分を表面と言いますが表面も界面の中の一種と言えます。
水と空気の間に界面が存在するということです。
では化粧品に高い頻度で使用されている界面活性剤とは?

【界面活性剤:かいめんかっせいざい】
水になじむ親水性部分(親水基)と水になじまない親油性部分(疎水基)の両方を持ち、
本来混ざり合わない2つの物質を均一に混ぜ合わせたり、表面張力を弱めたりする働きを持っています。
物質を混ぜ合わせるということ分かりましたが化粧品の中ではどのような役割が求められるの?

◎界面活性剤の役割

  • 乳化作用:本来混ざり合わない2つの物質を均一に混ぜ合わせる作用
  • 分散作用:粉末状の固体を水の中に均一に混ぜ合わせる作用
  • 洗浄作用:油性の汚れに吸着して水と共に流す作用
  • 湿潤、浸透作用:濡れ、なじみを良くする作用
  • 起泡作用:泡の液膜を静電反発で維持することで生じる作用
  • 消泡作用:上記の逆で液膜を壊す働きにより生じる作用

全ての作用があるわけではなく界面活性剤は水に溶かしたときのイオンの種類によって4種類に分類され、
その種類によって作用も分類されます。

◎界面活性剤の構造

◎界面活性剤の種類

  • アニオン界面活性剤 *水中での性質:親水基がマイナスイオン
    泡立ちがよく、洗浄力に優れている、油とも混ざるが水に非常に良く溶ける。
    石鹸類、シャンプー、ボディソープ などに使用されることが多い
  • カチオン界面活性剤 *水中での性質:親水基がプラスイオン
    静電気を防止する、殺菌性が高い。
    ヘアリンス、コンディショナー、トリートメントなどに使用されることが多い
  • 両性界面活性剤 *アルカリ性領域でマイナスイオン、酸性領域でプラスイオンの性質を示す
    洗浄力や泡立ちはアニオン界面活性剤に劣るが刺激が少なく毛髪や皮膚にやさしい、
    シャンプー、ボディソープ(子供用など) などに使用されることが多い
  • ノニオン界面活性剤 *親水基部分がイオン化しない
    油と水をなじませる作用が強い、水と油が混ざった状態で長時間保持される
    乳化剤、分散剤、可溶化剤として配合されることが多い

今回は界面活性剤についての内容でした。
様々な作用があり、とても頼もしい成分だということを知っていただけたかと思います。
次回のブログもぜひ楽しみにお待ちください。

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